自転車置き場のアレイ
2012.5.6
彼女は今日も遅い電車
疲れた顔で改札を出る
コーヒーショップはClosed
ファミレスさえも灯りが消える
コンビニの袋がカサカサ鳴ると
心もきしむけど
自転車置き場で待つ姿
思い浮かぶと足早になる
冷たく光る街灯の下
今夜も彼女はネコを撫でる
彼は今日も下校すると
家には寄らずに塾に通う
帰りの電車でパンを頬張り
スナック菓子を食べ歩きする
カバンに詰まった重いテキスト
投げ出したくなるけど
自転車置き場に足が向く
話のわかるヤツがいるから
闇に浮かんだ街灯の下
今夜も彼はネコを撫でる
彼女は今日も1人分の
晩のおかずの買い物に行く
昔のように献立に
悩むことなく惣菜えらぶ
子供らはそれぞれの生活
たまに電話もあるけど
自転車置き場で名を呼べば
応えてくれる子がいるからね
昔のような灯りの下で
今夜も彼女はネコを撫でる
自転車置き場のじいさんの
飼い猫アレイはオス５歳
いつもの定位置 街灯の下
今夜も誰かが彼を撫でる